164:『補正予算の理事会と臨時評議員会を同日開催する際の流れについて』

 

草木の露も霜へと変わり、冬の気配がいよいよ濃くなってまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。社会福祉法人様につきましては、補正予算の検討をされている法人様が多いのではないでしょうか。

最近理事会等の運営についての質問を受ける機会が多いため、今回は補正予算の理事会と臨時評議員会を同日開催する際の流れについて解説したいと思います。

 

そもそもモデル定款では補正予算の承認は理事会の承認のみで事足りると規定されております。ただ、租税特別措置法第40条の特例(社会福祉法人が寄付を受けた際に、寄付者に発生するみなし譲渡所得税が非課税となる)を受ける場合は、「事業計画及び収支予算の承認」を評議員会の権限として定款に規定する必要があり、臨時評議員会の開催を要します。

 

では実際に理事会と臨時評議員会を同日開催する方法ですが、評議員会の招集手続きを省略することで可能です。

評議員会を開催するためには、通常であれば理事会で評議員会の招集決議を経たうえで、評議員会開催の1週間前に招集通知を発送する必要があります。しかし、左記の「評議員会の招集手続きの省略についての同意書」を事前に評議員全員から得ておくことで、理事会の招集決議を条件として臨時評議員会を同日に開催できます。あくまで同日であり同時開催はできませんのでご注意ください(根拠:第2回有識者会議でのヒアリングを踏まえた厚生労働省からの補足説明Q3)。

出典:久喜市HP 評議員会の招集手続きの省略いついての同意書例

なお、招集手続の省略について制限はありませんが、招集通知が各評議員の出席機会の確保や、評議員に事前に会議目的をお知らせすることで議案について熟慮する機会を与える機能も併せ持っています。そのため、必要以上の省略は招集通知の持つこれらの目的や機能を失わせかねないため、理事長や監事の方々と協議の上、実施をお願いいたします。また、決算理事会と定時評議員会は計算書類の据え置き期間(中14日)があるため、招集通知を省略しても同日開催することはできません。

ご拝読ありがとうございました。皆様の今後の法人運営の参考となれば幸いです。

株式会社 経営開発センター 野原 崇史

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