162:『上半期の業績確認について』

秋の訪れとともに、朝夕は涼しくなってまいりましたが、まだまだ日中は暑い日が続いております。夏の疲れが出やすい時期ですので、体調管理には、十分お気をつけください。

 

この度は、自法人の「上半期の業績確認」について、書かせていただきたいと思います。

上半期の業績の傾向は、今期も前年度から引き続き物価高騰による影響を受け、食材料費やガソリン代、エネルギー価格の高騰に伴いさまざまなサービスの価格に転嫁され、諸経費が増額傾向にあります。

法人様毎で、減価償却費・退職給付引当金・賞与引当金等の概算計上を行うなど経理処理の違いがありますが、会計システムから出力される貸借対照表や事業活動計算書は前年同月対比で表示でき、前年と会計処理が同じであれば、容易に増減額が確認できる帳票となっております。

要因分析のため、一例ではありますが、以下の内容をご確認いただければと思います。

 

事業活動計算書の項目 確認する内容
介護保険事業収益・障害福祉サービス等事業収益 稼働率の増減はありましたか?加算状況は変化しましたか?
人件費 職員数の増減はありましたか?職員配置は適正ですか?
事業費(給食費) 物価高騰の影響はありましたか?余分な在庫は抱えていないですか?
事業費・事務費(水道光熱費) 物価高騰の影響はありましたか?使用量に変化はありましたか?
事務費(業務委託費) 物価高騰の影響はありましたか?管理費・委託費の増減はありましたか?

前年度と同じ会計処理を行っていることが、増減額の要因を分析する上での条件となりますので、イレギュラーがあれば考慮する必要がございます。

 

上記の項目を受け、貸借対照表の以下の項目はどのように変化していますか。

貸借対照表の項目 分析する内容
現金預金(積立金含む) 前年度末から資金は増えていますか?減っていますか?増減の要因は把握できていますか?
純資産の部合計 前年度末から純資産は増えていますか?減っていますか?増減の要因は把握できていますか?

増減額を確認する際は、金額の増減が大きい項目を分析し検討する方が、より大きな効果が期待できます。前年同月との増減額を確認するだけで要因分析を行う材料になり、要因分析ができたら、今後の対策を考える機会につながります。10月からは最低賃金の引上げもあり、下半期も上半期同様に費用の増額が見込まれ、経営改善が引き続き求められます。

 

分析した結果を次にどのように活かすかが重要です。分析結果から、下半期に取り組むべき課題が浮き彫りになり、経営改善のきっかけになれば幸いです。

 

株式会社 経営開発センター 稗田 修生

カテゴリー: NEWS&TOPICS, 最新情報, 福祉セミナー&トピックス, 福祉経営コンサルティングレポート   パーマリンク