158:『職員満足度調査』のおすすめ

新緑が美しい皐月の好季節になりましたが、各法人さまにおかれては決算・理事会など大変お忙しいことと拝察申し上げます。ここ数年コロナ禍で大変でしたが、第5類感染症に移行され何となくその脅威も薄らいだ感じがしますが、今度は諸物価高騰と人材不足など経営試練の波が押しかけており、経営のかじ取りも大変な昨今の情勢です。そこで今回は「人材不足への対応」をテーマにレポートさせていただきました。

今年の春闘は3%を超える賃上げが実施されていますが、福祉事業界ではなかなかそこまで賃上げを実施することは難しい現況です。福祉事業界では人材不足からスタッフの争奪戦の状況で、採用活動費・新人教育費・人材派遣費・紹介料など新規スタッフの獲得のためのコストも多額になっています。この人材不足の現況を打破するための対策として2つあります。ひとつは新規スタッフの獲得であり、いまひとつは既存スタッフの離職率をゼロにすることです。特に後者の既存スタッフの満足度を高め定着させることを優先すべきと考えます。なぜなら資金と労力をつぎ込んで新規スタッフを獲得しても、満足度が低ければ底のぬけた器に水を注ぐような愚行となってしまいます。従って、既存スタッフの満足度を上げるためにはどうするべきかに焦点を絞った対策が求められます。

人は給料(金銭)だけでは動きません。むしろ、仕事のやりがいや生き甲斐・働きやすい職場の創出こそが最強の解決策と愚考いたします。また、スタッフ側(働く側)と経営陣側では満足の思考回路が異なります。

そこで、働きやすい職場を創出して職員の満足度を上げるための方策は働く職員に聞くのが一番です。

そのために「職員満足度調査」をおすすめいたします。

この調査により「誰が」「何に」不満足を感じているかを具体的・科学的にフォーカスできます。そこに焦点を当てて改善することが、働きやすい職場づくりへの近道となります。

「職員満足度調査」の概要は以下のとおりです。

  • 誰が→①性別、②年齢別、③勤続年数別、④部門別、⑤役職別、⑥雇用形態別(正職・パート)
  • 何に→①方針の徹底、②組織運営・仕事の仕組み、③コミュニケーション、④処遇、⑤個人の意欲

この5群を構成する全30問の質問を5段階評価で評価いただいて、属性別(誰が)に群別(何に)点数を表示します。最も満足度が高ければ100点となり、最も低ければ0点となります。50点未満とくに30点未満の項目が改善のキーワードとなります。また福祉事業界の平均値(50社程度)との比較も可能です。

さらに、フリーアンサー欄で①「職場の良い点」、②「職場の問題点」、③「職務上困ったり不安な点」、④「働きやすい職場づくりのための要望・提案・改善点」について忌憚のないご意見を書いていただきます。実際に耳の痛いご意見が多数寄せられますが、これが改善の宝の山となります。

やみくもに経営陣の思考回路で「働きやすい職場づくり」へ向けて対策を打つのではなく、働く側(スタッフ)の思いを「職員満足度調査」により知り、科学的・具体的根拠に基づいて対策を打っていくことが職員の賛同を得て満足度を上げていく近道です。

実際に、この「職員満足度調査」を実施されて科学的・具体的根拠に基づいて3年間の中期計画を立てて「働きやすい職場づくり」に取り組まれている法人さまが数社あります。

今回は人材不足や人件費高騰の経営課題の解決に向けて、具体的な対策事例を紹介させていただきました。

ご興味がございましたら弊社までお聞き合わせください。ご提案させていただきます。最後は営業ぽくなりましたが、具体的な第一歩を進められてはいかがでしょうか。

経営開発センター  文責:阿野英文 拝

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