167『補正予算策定時の注意点』

 気温はまだ低いとはいえ、窓から入る春めいた日差しがうれしいこの頃です。

さて、令和6年度は3年に1度の介護報酬、障害福祉サービス等報酬の改定の時期と重なり、改定情報を収集しながら、令和6年度に向けどのように対応していくか検討されているのではないでしょうか。同時に補正予算の策定と当初予算の策定を進めていく時期になっております。2月に入り補正予算を策定する中で注意すべき点について、質問を受ける機会が増えてきましたので、今回は補正予算策定時の注意点について、書かせていただきます。この時期の補正予算は、最終補正予算となるケースがほとんどだと思います。この予算は決算書類にも表れ、財務諸表等電子開示システムで外部にも公表されるため、より正確な予算策定が必要になります。令和5年度では、新たに令和6年2月から5月までの期間に職員の処遇改善として、(介護)介護職員処遇改善支援補助金、(障害)福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金が支給されることとなりましたので、補正予算にも反映が必要となっています。ここからは、今年度の補正予算で気をつけるべき項目とあわせ、私自身が補正予算で漏れやすいため気を付けている主な項目を以下に記載させていただきます。

 

予算対応項目 確認すべき点
委託費の精算 委託費の精算があれば、精算額を考慮し算定されていますか。
寄附の受領がある場合 金銭で受領する時は、予算計上されていますか。

※固定資産物品で受領した時は、事業活動計算書の固定資産受贈額に計上され、予算計上が不要となるため確認が必要です。

固定資産対応の補助金の勘定科目 固定資産対応の補助金が施設整備等補助金収入に計上されていますか。
退職がある場合 年度末までに退職予定者がいる場合、資金収支計算書に反映する勘定科目に予算金額が計上されていますか。
割賦での固定資産購入 購入時は、資金収支計算書に反映せず、割賦返済時に資金収支計算書の長期未払金支出に計上されていますか。
前期末支払資金残高の入力 前期末支払資金残高の値が、令和4年度決算書の当期末支払資金残高となっていますか。
介護職員処遇改善支援補助金等の創設 2月、3月分の補助金の計上に対応する人件費の計上がされていますか。

※人件費の計上については、基本給、諸手当又は一時金で支給するのか勘定科目の取り扱いが異なるため事前に検討が必要です。

積立金の計上 収支差額がプラスになった場合、積立金の計上の有無を検討されていますか。

 

予算策定にあたっては、経過月までの試算表の単月実績を並べ、3月までの予測値を入力することで作成時の異常値や漏れが発見できる資料となります。令和6年度の報酬改定に向けた準備期間と重なり、お忙しい時期となりますが、補正予算についても、今年度の最終の補正予算となりますので、積算漏れがないように、ご注意いただければと思います。

 

株式会社 経営開発センター 稗田 修生

 

 

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