平成23年7月27日に社会福祉法人会計基準が通知され1年4カ月が経ちました。 弊社においても9月13日、14日に新会計基準への対応【基礎編】に続き、11月15日、16日に新会計基準への対応【移行処理編】と題しセミナーを開催させていただきました。社会福祉法人が行う全事業(社会福祉事業、公益事業、収益事業)が適用範囲とされているため、セミナーに参加いただいたお客様の関心の高さがうかがえました。 今回は、私自身もセミナーに参加させていただいた一人として、【移行完了までのフロー】の中で「移行年度期首の貸借対照表の作成」についての、ポイントを一部ご紹介させていただきます。
【移行完了までのフロー】
【移行年度期首の貸借対照表の作成】 現行基準と新会計基準では要請されている貸借対照表の作成単位に違いがあります。そのため、移行前の現行基準における貸借対照表の経理区分残高を抜き出し、拠点区分ごとに残高を再度把握する必要がございます。現状、経理区分ごとの貸借対照表残高を適切に管理できている場合は、比較的スムーズですが、不十分な場合は、残高の分解が必要になります。
ここで注意点が2つあります。まず1つ目は、ステップ②において、基本金の種類ごとに残高を把握することです。新会計基準では、第4号基本金は廃止されますので、第1号~第4号基本金までの内訳を把握しておく必要があります。2つ目は、ステップ⑤において、流動資産、流動負債の残高明細は細かく把握することです。新会計基準では、前払金、預り金、前受金等の貸借対照表の勘定科目が細分化されている為、移行直前年度の明細は細かく把握する必要がございます。 上記①~⑤のステップを踏み、移行直前年度末における貸借対照表残高を拠点区分ごとに把握し、勘定科目の組み替えを行っていただき、移行年度期首の貸借対照表を作成します。
今回は、移行年度期首の貸借対照表の作成を中心に書かせていただきましたが、移行直前年度や移行年度において行う作業も多岐にわたります。 移行をスムーズに行うためには、事前の準備と計画が大切です。今年もあと1ヶ月あまりとなりましたが、私自身も含め「やっておけばよかった」と後悔しないような一年の締めくくりにしたいものです。 今後の皆様のますますのご発展を心よりお祈りしております。
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株式会社 経営開発センター 稗田 修生