156:『決算作業の事前準備について』

 春光の折、ますます清栄のこととお喜び申し上げます。今回は、決算作業の事前準備というテーマで書かせていただきたいと思います。例年、決算終了後に振り返ると、決算の作業途中に困ることや、事前にやっておけばよかったと思うことがありました。実際、決算期に入ると慌ただしくなりますので、少し早いかもしれませんが、この時期から決算に向けた事前準備が必要ではないかと思っています。

決算期に入る前に、今からできることを以下に記載させていただきます。まずは、決算のスケジュール調整です。

 

項 目 行うべき事項 ポイント
決算スケジュールの調整 ・定時評議員会、理事会、監事監査の日程を決める ・日程は後ろ(定時評議員会)から決める
・作業の項目毎に期限を決める ・予測できなかった状況を考慮し、少し期限を早目に設定する

日程調整をする際は、実際に作業に係る方々にも参加いただくと、より現実的な日程調整ができるようになります。

 

次は、決算作業前に行っておけば、スムーズに決算作業を進めることができる事項を、一部ご紹介いたします。

項 目 確認事項 ポイント
経過科目 ・未収金、未払金、預り金等の勘定科目の残高が把握できていますか ・本来残っておくべき残高と会計上の残高が一致しているかの確認を行う
固定資産 ・寄贈物品の受入があった時は、伝票入力が行われていますか

・固定資産システムへの登録を行っていますか

・固定資産の購入や寄贈、移管、売却、除却があった場合は、システム登録を随時行う
補助金事業収益 ・補助金事業収益と施設整備等補助金収益、借入金利息補助金収益の区分ができていますか

・仕訳摘要に交付団体及び交付の目的が記載されていますか

・固定資産の取得に対応する補助金は、施設整備等補助金収益に計上する

 

・補助金事業等収益明細書を作成する際に、摘要が記載されていると明細書の作成が行いやすい

寄附金収益 ・経常経費寄附金収益、施設整備等寄附金収益の区分ができていますか

・寄附者の属性が確認できるような仕訳摘要になっていますか

・寄附金収益明細書を作成する際に、法人の役職員、利用者本人、利用者の家族、取引業者、その他の5区分に区分けが必要です

決算作業前には、所轄庁からの前回の指導監査における指摘事項の確認を行う事も必要になります。実際の決算作業までは時間がありますが、早目に取り掛かることで気持ちの余裕もでき、確実な決算書を作成できると思います。

例年より1日でも早く事前準備に取り掛かり、決算作業が計画通りに進めることができるきっかけとなれば幸いです。

株式会社 経営開発センター 稗田 修生

 

 

 

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