136:『新型コロナウイルスの 経営への影響は?』

 梅雨も明け、本格的な猛暑の季節となりました。新型コロナウイルス対策のためのマスクを皆様着用されておりますが、そのために熱中症など暑さからくる体調不良も起こりやすくなるかと思います。入浴介助など多湿な状況での介護・支援も考慮しますと、より一層の対策が必要になってくるかと思います。

また一時は落ち着きを見せた新型コロナウイルスでしたが、日毎に新規感染者数が増加し、気の抜けない状況が続いております。現場での職員の方への負担も続くこととなり、深刻な経営課題となってきているかと思います。また利用者の方の利用控えや感染者の発生による事業所閉鎖による収益の減少・対策物品の購入など、経営へ影響を与える状況もより深刻になっているように感じています。

そこで今回は、福祉医療機構から公表された「病院経営動向調査・社会福祉法人経営動向調査」より、社会福祉法人への新型コロナウイルス感染症の影響の一部をご紹介させていただきます。

4月分の収益を前年同月と比べると、増加・横ばいと回答した施設の合計は64.9%でした。しかし5月分の見込みでは51.6%へ減少し、約半数の施設が1割以上の収益減少と回答しております。また④3割以上減と回答した施設の中には、8割減との回答もあったそうです。このように、新型コロナウイルスが経営状況へ悪影響を与えていることが数値で示されております。

では、この状況をどのように乗り越えていけばよいのでしょうか。そのためには、これまでとは違った業務の改善・変革が必要ではないかと思います。例えば新型コロナウイルス流行以前には、インターネットを通じたWEB会議を実施されている施設はあまりお見かけしませんでした。しかし最近では、感染防止のためにWEB会議を活用している施設も増え、現在では新型コロナウイルス流行以前よりも業務効率が改善された場合もあるのではないでしょうか。弊社でも在宅勤務・テレワークの導入が進められました。私自身も在宅ワークにより出社せずに業務を行うことにはじめは不安を覚えましたが、実施してみると出勤時間の短縮など以前よりも業務効率が改善されたと思います。

このように、これまで当たり前に行っていた業務に疑問を持ち、また改善していくことが今後は必要になると思います。また改善策は前述のインターネットを活用したものに限定する必要はありません。業務の本来のあり方や達成すべき品質などを整理し、先入観や既成概念を取り払ったうえで検討することで改善につながるのではないでしょうか。

今後も厳しい状況が続くかとは思いますが、是非とも法人の方々の集合知によって、この苦境を乗り越えていただければと思います。

株式会社 経営開発センター 山口 恭右

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