レポート:76号『決算書、活用できていますか?』

 時が過ぎるのは早いもので、27年度が始まり2か月が経過しましたが、皆様におかれましてはいかがお過

ごしでしょうか。決算書作成、監事監査、理事会と慌ただしい5月を過ごされた方もおられたかと思います。

 さて、その決算書ですが、作成後にそのまま書庫や棚にしまったままにされていませんか?担当者様が心

血を注いで作成した書類ですので、ぜひとも経営分析にご活用いただければと思います。

 とはいえ決算書から経営状況を読み解くには会計の知識が必要となります。そこで今回は決算書の数値が

表している意味と、押さえておくべきポイントを一部ではありますがご紹介させていただきます。

 

※用語等は新会計基準に基づき作成しています。

財務諸表

表している内容

着眼点・チェックポイント

貸借対照表

財政状態
(財産の状態)

・資産の部合計の増減状況は?また何に起因しています

か?

・純資産の部合計は増加していますか?

・預金残高(流動・固定)の減価償却累計額に対する充足

率は十分に確保されていますか?

・借入金残高は預金残高と比較して過大になっていませ

んか?

事業活動計算書

事業活動の成果
(収益力)

・サービス活動収益は前年度と比較して増加しています

か?

・人件費は前年度と比較して過大に増加していませんか?

また、人件費率は前年度と比較して過大に増加していませ

んか?

・サービス活動増減差額

 法人の本業の収益性を表す増減差額であり、黒字となっ

ていますか?

資金収支計算書

資金の使われ方
予算の執行状況

・事業活動資金収支差額

法人の経常的な活動による資金の増減を表す収支差額で

あり、プラスとなっていますか?

・当期資金収支差額合計(積立資産支出を含む)

減価償却又は建替資金の裏付けとなる収支差額が確保で

きていますか?(積立資産支出を含む)

 大まかにではありますが、決算書を確認するポイントとしては上記の事項が挙げられます。

 また、法人全体からだけではなく、サービス区分等の小さな単位から捉えていくのも効果的かと思います。

 これを機会に決算書からの経営分析にぜひともご活用いただければと思います。

         株式会社 経営開発センター 福祉経営部 山口 恭右

 

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