レポート:69号『正しい判断をするために』

 北国では初雪のたよりが聞かれ、お正月のおせち料理の宣伝が目につく時期になりました。時の過ぎ行く速さにあらためて驚かされるこの頃です。

 今回は、稲盛和夫氏が書かれている「心を高める、経営を伸ばす」という著書から「正しい判断をするために」という章から2つほどご紹介させていただきます。私も、日々迷ったり悩んだりして生きていますのでそんなときによりどころとしたり、勇気をいただいています。みなさまの参考になればと思います。

(1)  原理原則を基準とする

 常に、原理原則を基準として判断し、行動しなければなりません。とかく陥りがちな常識とか慣例などを例に引いた判断行動があってはなりません。常識や経験だけでは、新しいことに遭遇した場合、どうしても解決がつかず、そのたびにうろたえることになるからです。

 かねてから原理原則に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。原理原則に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人として正しいことを正しいままに貫いていこうということです。人としての道徳に基づいた判断であれば、時間、空間を超えて、どんな環境でも通じていくものです。そのため、このような判断基準を常に持っている人は未知の世界に飛び込んでも決してうろたえたりはしないのです。

 新しい分野を切り開き、発展していくのは豊富な経験を持っているからではありません。常識を備えているからでもありません。人間としての本質を見据え、原理原則に基づいた判断をしているからです。

(2)  ささいなことにも気を込める

 正しい判断ができる人は仕事がよくできる人だと言われます。正しい判断をするには、どういう状況にあるかということを、鋭く観察する必要があります。ものごとの核心に触れるまでの、鋭い観察力がなければならないのです。

 この鋭い観察を生むのは精神の集中です。しかし、急に精神を集中しようと思っても、なかなかできるものではありません。実は集中するということには習慣性があるのです。ささいなことでも、注意を払って行う習慣がある人は、どんな局面でも集中できるのですが、そういう習慣のない人は、なかなか精神のフォーカスを絞れないのです。

 忙しいときこそ、ささいなことにも気を込めて行うという習慣をつけるべきです。興味がないものでも、努めて意識を向けるということをすべきです。これを「有意注意」といいます。

 この日常の有意注意が「いざ」というときの判断力を左右します。そして、毎日トレーニングされた注意力と洞察力を身に付け、研ぎ澄まされた神経をもって、正しい判断ができる人を、切れ者というのです。

稲盛和夫氏のファンも多く、ご存知の方も多いと思いますが、本著書の紹介をさせていただきます。ご興味のおありの方はぜひお読みになられたらいかがでしょうか。

「心を高める、経営を伸ばす」素晴らしい人生をおくるために

著者:稲盛和夫、発行所:PHP研究所、価格:1,000円(税別)

(株)経営開発センター  文責:阿野英文

 

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