レポート:106『経営実態調査の結果と自法人の経営状況のご確認』

 新年、明けましておめでとうございます。本年も皆様のお役に立てるよう精進して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 昨年のこの時期には制度変更へのご対応でご多忙のことだったかと思いますが、本年は介護報酬改定・障害福祉サービス等報酬改定が目前に迫っております。福祉新聞等により徐々に情報も発信されており、私自身もお伺いする法人様で情報を求められる機会が増えてまいりました。

 もちろん報酬改定の情報は重要です。しかしその前に、収支状況を指標と対比することより、現在の法人の状況をご確認していただくことが必要だと感じております。事前に現状を確認しておくことで、報酬改定の情報が発出された際にも素早く適切な経営判断が可能になるのではないでしょうか。

 そこで、今回は平成29年10月26日に厚労省より公表された、介護事業経営実態調査結果の概要をお伝えしたいと思います。

1施設当たり年間平均額を、12で除した額

(単位:千円)

事業活動計算書

介護老人
福祉施設

通所介護

訪問介護

小規模
多機能

①介護事業収益

25,621

5,235

2,261

4,559

②介護事業費用

24,925

4,870

2,092

4,235

③介護事業外収益(借入金補助金)

23

5

2

7

④介護事業外費用(借入金利息)

161

16

6

24

⑤特別損失(本部繰入金)

160

96

57

71

収入(①+③)

25,644

5,240

2,263

4,566

支出(②+④+⑤)

25,246

4,982

2,155

4,330

差引(収入-支出)

398

258

108

236

差引比率(差引÷収入)

1.6%

4.9%

4.8%

5.2%

利用者1人当たり収入

12,213円

9,129円

3,503円

226,974円

利用者1人当たり支出

12,024円

8,678円

3,336円

215,343円

常勤換算職員1人当たり給与費

355,798円

294,743円

286,253円

288,658円

常勤換算職員1人当たり利用者・訪問数

1.5人

51.3人

90.4回

1.8人

 

 各項目の数値につきましては、決算額を12で除した値ですので、単月の数値と比較する、もしくは12を乗じて決算額と比較をしていただければと思います。

 まずはこちらの数値、特に差引比率を指標としていただき、自法人の状況確認にご利用いただければと思います。また、指標との差異を分析する際に活用できる、利用者1人当たり、職員1人当たりの数値についても併せて掲載させていただきました。指標の差引比率よりも高い、もしくは低い場合の、要因把握にご活用いただければと思います。

 まずは法人の現状を分析することで、今後の報酬改定の情報が示された際のご準備や、経営判断の材料としていただければと思います。

株式会社 経営開発センター 福祉経営部 山口 恭右

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