新年度が開始し早いものでもうすぐ半年が経過しようとしています。1年の折り返し地点とも言えるこの上半期を機会に、自分自身を振返ってみてはいかがでしょうか?
この度は中間管理職・リーダー層にスポットをあて自分自身の振返りの一助となる手法“部下評価”について、私の経験を基にレポートをさせて頂きます。
“部下評価”ってなに?と思われる方もいらっしゃると思います。皆さまの中には人事考課制度や評価制度を導入している法人さまもあると思いますが、それらは上司が部下を評価するのが一般的な仕組みではないでしょうか。この“部下評価”はその“逆”で部下が上司を評価する仕組みとなります。
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人の心の中には4つの窓が存在します。①開放の窓②盲点の窓③秘密の窓④未知の窓です。この中でも一番悩ましいのは②盲点の窓。つまり自分は気づいていないものの、他人からは見られている自分です。部下評価の目的は『部下からどう見られているか』を知ることで、自分の本当の素顔を見て自分自身を振返る機会とすることです。
部下評価の進め方及び留意点は以下の通りとなります。
手 順
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進 め 方
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1.評価項目の打合せ
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事前に弊社が準備をした評価項目を基に法人独自の項目の追加や、不要な項目の削除、文言の訂正等を行います。フリーアンサー欄も設けます。
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2.目的の説明及び
評価表の配布
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部下評価の目的を一般職員さま(評価者)にしっかりと説明し、評価表の配布を行います。
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3.評価の記入
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一般職員さま(評価者)に評価表の記入を行って頂くと同時に、上司(評価される側)に自己評価を行って頂きます。部下評価と自己評価のギャップを見るためです。
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4.回収及び集計分析
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鍵のかかった回収BOXに投函をして頂き、期日になると弊社スタッフが回収にお伺いいたします。その後、弊社内部で集計分析を行います。
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5.フィードバック面接
前の打合せ
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集計分析結果がでれば責任者(施設長さまのケースが多い)と、一人ひとりの分析結果を基に打合せを行います。フィードバック面接時に本人に伝える重要な個所、今後の期待像等をじっくりと時間をかけて話し合います。
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6.フィードバック面接
の実施
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上記5を受けて分析結果のフィードバック面接を行います。少しでも客観的に受け入れて頂くために第三者からフィードバックを行います。
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留 意 点
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そ の 理 由
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1.第三者を関与させる
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法人内部で実施することも可能ですが、筆跡等で個人を特定されることを嫌がり、“率直な意見”や“生の声”が出にくくなる可能性が考えられます。そこで第三者が分析結果を全てデータ化し、原本は破棄するという約束で進めるとそのような可能性が減ってきます。
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2.継続して行う
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部下評価は人事考課制度や評価制度と同様、人財育成のひとつです。健康診断を受けるように継続しなければ意味がありません。
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中間管理職・リーダー層の評価される側は、かなり緊張をされているのが伝わってきます。ただ、その評価結果からの“気づき”や“学び”は多いのではないでしょうか。そこには、評価結果を『素直に受け入れる勇気』と自分自身を成長させたいという『強い向上心』があってこそ初めて得られるご褒美だと感じています。皆さまもいかがですか?
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文責:株式会社 経営開発センター 福祉経営部 松本 和哉
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