レポート:第44号指導監査の指摘事項

 早いもので、平成24年度も半期が終了しようとしていますが、弊社お客様において、「行政監査が無事終了しました。」「行政監査の日程が決まりました。」等、行政監査に関する声を良くお聞きするようになりましたが、皆様の施設ではいかがでしょうか?

 皆様にとっても行政の指導監査は、できれば大過なく無事に終えたい課題だと思います。

 そこで、今回は、兵庫県のホームページにも掲載されている「社会福祉法人の指導監査結果 平成22年度実施分」について、ご紹介をさせて頂きます。実際に他の法人で、どのような指摘を受けているのかを把握しておくことで、事前の備えに活用頂けると思います。

 まず、公表されている結果の概要を申し上げると、実施数124法人、指摘件数293件、指摘の内訳(会計管理に関すること107件、理事会に関すること49件、理事に関すること35件、その他は省略)となっており、特に、会計管理に関する指摘の多さが際立っている状況です。

【会計管理に関する指摘事項の抜粋(主な内容)】

経理規程が整備されていない又は実態と合っていない。

会計責任者と出納職員が兼任されるなど、内部牽制体制が確立されていない。

支出額が予算額を超過する前に補正予算を編成していない。

経理規程を遵守した支出手続きが行われていないなど、事務処理が不適切である。

経理に係る自主的内部点検が実施されていない。

寄付申込書を徴していない、領収書にあらかじめ連番を記入していない等処理が不適切である。

小口現金の取扱いについて、経理規程に従い適切に行われていない。

小口現金を経理規程に定める取扱限度額を超えて利用している。

小口現金の取扱いにあたり金銭残高種別表を作成していない。

経理規程に従って競争入札により工事業者を決定していない。

経理規程で定める金額を超える契約について、契約書を交わしていない。

決算関係書類が不適切である。

施設会計の支出において公私の区別が曖昧になっている。

来賓等からの祝儀を寄付金で処理していない。

儀礼的な贈答品等の贈り先が記録されていない。

経理関係の証憑書類が保存されていない。

特定の役員に対する飲食費等の支出が目立つ。

理事長との利益相反行為となる業者との契約について、適切な手続きが取られていない。

必要な会計帳簿が整理されていない(固定資産台帳等)。

 上記、指摘事項を集約すると、「経理規程、予算管理、支出手続き、寄付金、小口現金、入札・契約、決算書類、不適切な支出、証憑書類・台帳の不備等」となっている状況です。

 可能であれば、法人で内部監査を実施して頂き、書類や手続きの不備を事前にチェックしておく事が重要と考えます。また、県のホームページには、会計管理のみならず、他の分野や事業種別毎の結果が公表されていますので、原文のご確認をお勧めいたします。

 少しでも、法人の健全な運営の一助になればと存じます。

株式会社 経営開発センター 野崎 悦雄

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