決算業務も終盤にさしかかり、理事会や評議員会に向けご準備されている法人様も多くなり始めた頃かと思います。この度は、決算完了後、所轄庁に財務諸表等電子開示システムを利用し届け出ることができる別添2「財務会計に関する事務処理体制の向上に対する支援業務実施報告書」(以下、「別添2」という)について書かせていただきます。
社会福祉法等の一部を改正する法律(平成28年法律第21号)による社会福祉法の改正により、社会福祉法人のガバナンスの強化が図られています。一定規模を超える法人については、会計監査人の設置が義務付けられましたが、改正を経て、これまで以上に事業運営の透明性の確保が求められています。
別添2は、所轄庁へ届け出る際に入力する財務諸表等入力シートの14.「ガバナンスの強化・財務規律の確立に向けた取組状況」に記載できるものとなります。計算書類等とあわせて別添2を提出し所轄庁が周期の延長の判断を行った場合、通常の一般指導監査の会計監査の周期が3年から4年に延長されます。 しかし、私が最近受講した支援業務実施報告書の作成研修の中で、講師より所轄庁によっては、まだまだ提出している件数が少ないため、提出が増えたら周期の延長を検討したいという所轄もあり、届け出たからといって、いずれもが一般監査の実施周期の延長及び指導監査事項の省略をするものではないとのことでした。
私もこの度、法人様に訪問し調査させていだく機会がありましたので、別添2の確認事項の中から注意が必要だと感じた項目を、以下に記載させていただきます。
※紙面の都合で一部割愛
上記の表を見ていただくと、出来ていて当然だろうと思うかもしれません。ただ、私が実際に調査させていただいた時には、失念し出来ていない項目がありました。 別添2には、№1~№25までの項目があり、この度の決算チェックにおいても活用できる内容も含まれています。 ご興味のある方は一度確認いただければと思います。
最後に、別添2は税理士(税理士法人)又は公認会計士(監査法人)が行うことができる業務となりますが、このレポートを通じ法人の事務処理体制の現状について、課題を把握し、改善のきっかけとなれば幸いです。
税理士法人 稲田会計 稗田 修生 |
