台風19号により被災された皆さまに、心からお見舞い申し上げます。被災地の1日も早い復旧を心より祈念いたします。
令和元年10月より最低賃金が改定されたことをご存じの方は多いと思います。また、その改定に対応をするために給与規程や求人資料等の改正を行なわれた法人さまも多くあるのではないでしょうか。
【 厚生労働省ホームページより一部抜粋 】 (令和元年10月30日現在)
都道府県名 |
最低賃金時間額 |
発効年月日 |
平成30年度地域別最低賃金 |
兵庫県 |
899円 |
令和元年10月1日 |
871円 |
岡山県 |
833円 |
令和元年10月2日 |
807円 |
上記の表からも見て頂けるとおり、最低賃金時間額は年々上がる傾向にあります。そのこともあり、ほとんどの法人さまでは時間給雇用のスタッフの給与は見直しをされていることと思います。
もう一方では、月給雇用(このレポートでは「正規職員」と表現します)のスタッフの給与では、特に初任給を検討する必要があります。正規職員の初任給を決定した当時には問題はなかったのですが、改めて確認をすると『実は最低賃金を下回っていた』というケースはございませんか?
特に正規職員の給与は職種により様々な体系が想定をされます。
職 種 |
月給(基本給+諸手当)【最低賃金の対象となる賃金】 |
職種A |
初任給 = 基本給 + 〇〇手当 + △△手当 + □□手当 |
職種B |
初任給 = 基本給 + ◇◇手当 |
職種C |
初任給 = 基本給 |
例えば上記の様な給与体系を想定したとします。この場合に、職種Aは手当が何種類かあるので月給が最低賃金を上回っていますが、手当の種類が少ない又は手当がない職種B及び職種Cの月給が最低賃金を下回っているというケースが想定をされます。その場合、職種B及び職種Cの月給(初任給)の見直しが必要となってきます。
見直しにあたり考えられる方法と懸案事項の一例を下表にまとめさせて頂きました。<ご参考程度ご確認して下さい>
見直しにあたり考えられる方法(一例) |
懸案事項(一例) |
・俸給表の見直し |
全正規職員の給与を見直すことになり、場合によっては人件費増額に繋がる可能性があります |
・職種Bの手当の見直し、職種Cの手当の創設 |
「職種B及び職種C」のみの見直しで可能ですが、職種Aとの月給のバランスを確認・検討する必要があります |
・基本給(初任給のみ)の見直し |
既存正規職員との逆転現象やバランスを確認・検討する必要があります |
実際の見直しの時には、可能な限り全ての事情を考慮して法人内等で十分ご検討を頂きますようお願いいたします。
また、見直しを行なった給与額が『年間でいくらぐらいになるのか』『財務に与える影響はいくらぐらいか』等の視点も加味して検討を行うことが必要と考えられます。
株式会社 経営開発センター 松本 和哉