レポート:第35号練習評価・評価者研修 の大切さ

 12 月も下旬になり今年も残りわずかとなりました。今年もあっという間の1年で、年々、時の経つスピー ドが速くなっているように感じてなりません。

 さて、皆様の施設の中で、年末又は年度末になると、「人事評価」に取組まれる施設が少なからずあると 思います。特に、介護職員処遇改善交付金のキャリアパス要件に関連して、新たに人事評価制度等を採り入れ られたケースなど、以前にも増して「人事評価」に取組まれるケースは増えているのではと思います。

 人事評価を実施している施設において、最もよくお聞きする問題点について「評価者により評価基準の バラツキがある!!」というのがあります。一人で全員を評価する場合は、生じない問題ですが、事業規模 が大きくなり、複数の主任・副主任等の指導監督職が評価を担当する場合には、避けては通れない課題となっ ています。

 この度は、年度末評価に向けて、「練習評価や評価者研修」に取組まれている事例を紹介いたします。 その法人では、本番の評価前に、評価者研修と題して、「ケーススタディー」を実施されています。 特徴としては、事前にケーススタディー用の被評価者を設定し、評価対象行動を考えて想定問題を作成しま

す。研修の中では、その想定問題を、“実際に使用している人事評価表”に基づいて評価演習を行って います。

<ケーススタディーの流れ>
1個人評価の実施:個人での評価を実施し、結果を発表してもらう。
2グループ評価の実施:グループに分かれて討議し、グループ評価を取りまとめ、結果を発表してもらう。

 

 特に、グループ討議のあたりから、評価に対する価値観の違いに気付かされるようです。各々の評価に至っ たプロセスをお互い議論することで、どのように考えて評価をして行けばよいのか理解が深まります。

 人事評価スキルは知識だけで向上するものではなく、実践を通じた経験値(評価を実施した回数)を高めて いくことが重要だと思います。1回目よりも2回目、2回目よりも5回目の方が人事評価スキルは着実に高ま っておられます。経験値を高めるためにも、練習評価やケーススタディーの回数をこなしていくことが大切だ と思います。

 人事評価は、制度をつくることにエネルギーを注ぎ過ぎるより、制度をうまく動かし組織に定着させていく ことに主眼を置くべきではないかと考えています。そのためにも評価や面接がうまく動き始めるような対策を 継続して実施していくことが大切だと思います。

 本年最後のコンサルティングレポートに際して、今年1年間、本誌をご愛読賜りまして誠にありがとうござ いました。来年も弊社は、お客様に「感謝され」「喜ばれる」仕事にこだわりながら邁進して参ります。是非 ともよろしくお願い申し上げます。

株式会社 経営開発センター 福祉経営部 部長 野崎 悦雄

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