レポート:73号『27年度介護報酬の改定の衝撃』

 社会福祉法人の皆様におかれましては、年度末に向けて大変お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。

 既に、ご承知のとおり2月6日の社会保障審議会介護給付費分科会において、改定単位数等の全容が明らかとなり非常に大きな衝撃が走っています。

 先日お会いした、尊敬する法人経営者の方が「今からの3年間は耐える3年間になる」と言われていた言葉が、この度の介護報酬改定の衝撃を物語っていると、心に突き刺さりました。

 この度の改定では、処遇改善加算を除く実質的な影響は、概ね5%程度の引下げとなっており、何も対策を行わない場合には、収支差額比率が5%程度低下することを意味します。(通所介護等の事業規模・介護度によっては、10%~20%の引下げが行われた部分もあります。)

 

■介護老人福祉施設の単位数抜粋(27年8月改正単位は表示していません。)

<基本単位分の収入減少額の試算>

 (a)要介護4(多床室)の単位減少分 △48単位

 (b)年間延べ利用者数20,805人=定員60人×稼働率95%×365日

 (c)1単位あたり単価=10円と仮定

  ⇒(a)×(b)×(c)=△9,986,400円(加算・居住費等の増減は加味していません。)

 

 弊社では、部門責任者等に参画して頂いて次年度収入目標の検討支援を行っている法人様がございますが、部門責任者の考え方がプラス思考か又はマイナス思考かによって、部門業績に大きな格差が生じていることを実感しています。

 今一度、経営の実態を把握したうえで、全従業員で危機感を共有するとともに、プラス思考で「収入の最大化と経費の最小化」に叡智を集めることが重要と考えます。

 

株式会社 経営開発センター 野崎 悦雄

 

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