レポート:68号『平成26年度指導監査の重点事項』

 

 早いもので、平成26年度も半期が終了しようとしていますが、最近になり、高齢者施設・障がい者施設のお客様において、行政の指導監査の話題を耳にすることが増えてきました。

 昨今の社会福祉法人を取り巻く状況と言えば、「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」において、法人運営の透明性の確保を中核にした「財務諸表等の情報開示」「ガバナンスの強化」等の提言が行われている状況ですが、行政の指導においても、同様の傾向を示していると感じます。

 そこで、今回は、行政ホームページに「26年度指導監査の重点方針等」を掲載している「姫路市」と「神戸市」の内容をご紹介いたします。(抜粋を掲載。全文は行政ホームページを参照して下さい。

姫路市

神戸市

◆理事会

 ・理事会への欠席が継続している理事はないか。

 ・定款細則、理事長・施設長の専決規程、決裁規程及び事務分掌等が定められているか。

◆監事・監査

 ・監事による毎年定期的に十分な監査が行われているか。

◆役員等

 ・役員報酬は、勤務実態に即したものであり、役員報酬規程等が整備されているか。

◆会計管理

 ・不適正な会計処理を防止するため、内部牽制組織が確立しているか。会計処理は複数の職員による点検を行っているか。

 ・施設長は、定期的に通帳、小口現金、入所者預り金等を原本で確認しているか。

 ・随意契約によることができない金額で随意契約を行っていないか。

 ・契約の更新は、安易に自動更新していないか。

◆その他

 ・法人の財務状況等について情報提供を適切に行っているか。利害関係者以外の一般に対しても情報公開に努めているか。

◆法人のガバナンス強化

 ・理事会、評議員会はそれぞれの要議決事項、審議事項(事業計画の決定、予算の同意、決算の認定、役員報酬等)を適切な時期に実質的な審議をすること。

◆監事監査の充実

 ・特に事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書について毎年定期的に十分な監査を行うこと。

◆法人運営の情報開示

 ・事業報告書、財産目録、貸借対照表は福祉サービスを希望する者等に対して閲覧に供すること。また、現況報告書、貸借対照表、収支計算書については、インターネット上に公表すること。

◆会計管理

 ・内部牽制に配慮した業務分担、自己点検を行う等、適正な会計事務処理に努めること。

 ・未収金、未払金、固定資産台帳等必要な補助簿を作成し、あるべき資産・負債を適正に管理すること。

◆新会計基準への移行

 ・事業区分、拠点区分、サービス区分の設定、経理規程の改定等、移行時処理を適切に行うこと。

 ご覧頂いた通り、両市ともに昨今の時代背景を反映して、法人運営の透明性を確保するための、情報開示やガバナンス強化に重点をおいた内容であることがお分かり頂けると思います。

 皆様の法人においては、監査対策に止まらず、これら重点事項に積極的に取り組んでいくことで“経営品質の向上”に資するものと考えます。

株式会社 経営開発センター 野崎 悦雄

カテゴリー: NEWS&TOPICS, 最新情報, 福祉セミナー&トピックス, 福祉経営コンサルティング, 福祉経営コンサルティングレポート   パーマリンク