レポート:53号『口ぐせ』

 25年度も3ヶ月が過ぎ、早いもので第1四半期が終了をしました。今月末には第1四半期の試算表を活用し、実績検討をなさる法人さまも多いのではないでしょうか。

 法人の経営(運営)状況を“お金”というモノサシで示す試算表や決算書の数値は、皆さまにとってとても気になるところだと思います。

 この度は、私が会計のご支援をさせて頂く中で、試算表や決算書のご報告の際に感じたことをレポートいたします。

 私はご報告の際に、前期実績との比較、予算(目標)との比較、指標(同業種の平均)との比較を行なうことが多くあります。目的は様々な視点から数値を確認して頂き、異常値の発見、自法人のポジション、予算(目標)の進捗状況の確認等を行なって頂くためです。

 ただ、今まで多くの経営者の方にご報告をさせて頂く中で、比較的業績の良い法人さまの経営者には共通点があるように感じます。

 ①資金(お金)を留保する目的・重要性を認識している(将来の建築資金・新規事業への投資等)

 ②全ての事においてケチるのではなく、必要なコトには必要なだけ資金を活用している

 ③ご報告の際に“口ぐせ”の様に目標値を口走っている

 以上の3です。③については、次の様な感じです。

『■年後には●●●千円留保しておきたい』

『今年も収支差額●●●千円が達成できそう』

『このままいくと利益率▲%は実現ができそう』・・・等。

 この目標値(●●●千円や▲%)は特に私が決めた数値ではなく、経営者の方自身が根拠となる考え方のもとで決められた基準です。この目標値が“口ぐせ”の様に出てくるということは、目標値が潜在意識に透徹している証拠ではないでしょうか。そして常に目標値を念頭に置くことで、また無意識に意識することで、実現するための工夫や知恵が出され、行動も起こしやすくなり、目標達成という結果に結びつくと感じます。

 今までの私は、試算表や決算書を多様な視点で比較検証し、異常値の発見や目標値の進捗状況確認を行ない、問題提起をし、解決策の検討を行なうことで確実に目標達成へと近づいていくと信じていました。これも決して間違いではないのですが、今回の経験を通してそれ以前に大切なことがあると気づかされました。

 それは『潜在意識に透徹し、無意識に意識する』ほどの確固たる目標値を持つことで、それが『口ぐせ』という形になり、目標達成という結果に繋がっていく第一歩になるということです。

 一言で言えば『意識すれば行動が変わる』ということではないでしょうか。

 皆さまにとっての“口ぐせ”にはどういったものがありますか?

株式会社 経営開発センター

福祉経営部 松本 和哉

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