レポート:56号『資金の適正な管理について』

 高度成長期の国民に夢と希望を与えた1964年オリンピック競技大会から約半世紀。2020年に開催される五輪・パラリンピックが東京に決定し、日本中が期待と高揚感に沸いています。世界が注目する7年後のスポーツの祭典に今から胸が高まります。

 さて、福祉施設の皆様方においては、早いもので平成24年度も折り返し地点を過ぎました。弊社お客様において、指導監査が終了した法人様も徐々に見受けられる時期となりました。先日、お客様が平成25年度行政指導監査の説明会に行かれ、その際しきりに監査指導課の方が資金の不正行為防止をおしゃっておられたというお話をお聞きしました。不正行為については、完全に失くすことは不可能かもしれませんが、不正行為の機会を少なくすることで最大の防止策につながるということでした。この度はその説明会の資料を参考にご報告させていただきます。

 

【不正行為はなぜおこるか】

機 会

資金を不正に流用できる状況である

資金を不正に流用しても、誰にも気づかれない状況である

正当化

自分がやろうとする不正行為は、悪いことではないと言いきかせる

組織や上司に対する不満を理由に責任転嫁する

 

 社会福祉法人の運営状況について、透明性を確保するため、厚生労働省より財務諸表等の積極的な情報開示を広くおこなうよう求められてる現状から、今後、より一層の内部牽制機能の強化が必要と考えます。当然、不正行為はあってはならないことですが、基本に立ち戻るため、下記に資金管理のチェック項目を付けておりますので、一度、自法人の現状を確認していただければ幸いです。

 

【資金管理のチェック項目(抜粋)】

 

項 目

チェック欄

経理事務の責任者として会計責任者が任命されているか

 

出納職員が任命されているか

 

会計責任者と出納職員は別々に任命され、内部牽制組織体制が確立されているか

 

会計伝票は証憑に基づき適正に作成され、会計責任者の承認を受けているか

 

現金の残高と帳簿残高を毎日照合し、定期的に会計責任者に報告しているか

 

預金残高は毎月末、各帳簿残高と照合し、定期的に会計責任者に報告しているか

 

毎月末日における債権及び債務の残高の内訳を調査し、定期的に会計責任者に報告しているか

 

※内部牽制機能強化のためにも、定期的に誰かがチェックできる体制を整えることが必要と考えます。

  株式会社 経営開発センター 稗田 修生

 

カテゴリー: NEWS&TOPICS, 最新情報, 福祉セミナー&トピックス, 福祉経営コンサルティング, 福祉経営コンサルティングレポート   パーマリンク